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原状回復・修繕業務 8年 / フロアコーティング職人 6年
退去立会い・原状回復工事の現場に10年以上携わり、これまで5,000件以上の賃貸物件を担当。豊富な現場経験をもとに、物件ごとの状態や契約内容を踏まえた適切な原状回復工事の判断・提案を行っている。
専門分野: 住宅設備の交換・建具の修繕・室内の補修工事
担当業務: 退去立会い・リフォーム施工・在宅修繕
保有資格: 一般建築物石綿含有建材調査者
退去立ち会いでは、室内の傷や汚れを確認するだけでなく、その後の原状回復や退去精算につながる情報を整理する必要があります。
しかし、入居者と管理会社で認識が異なったり、入居時の記録が残っていなかったりすると、原状回復費用をめぐるトラブルにつながることがあります。
国民生活センターには、賃貸住宅の原状回復に関する相談が継続的に寄せられています。
特に、「入居時からあった傷なのに請求された」「立ち会い時には指摘されなかった費用を後から請求された」「修繕費が高額で納得できない」といった相談事例が公開されています。
※国民生活センター:賃貸住宅の原状回復トラブル
退去立ち会いのトラブルを防ぐには、担当者個人の経験だけに頼るのではなく、立ち会い業務の運用を管理会社内で標準化することが重要です。
この記事では、不動産管理会社の担当者向けに退去立ち会いでよくあるトラブルと、現場で実践できる予防策を解説します。
退去立ち会いで起こるトラブルの多くは、室内に傷や汚れがあること自体よりも、「いつ発生したのか」「誰の責任なのか」「どこまで修繕するのか」「誰が費用を負担するのか」という認識が一致していないことから発生します。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、原状回復トラブルを防ぐためには、入居時と退去時の物件状況を確認し、チェックリストや写真などで記録しておくことが有効とされています。
つまり、退去立ち会いだけを丁寧に行っても十分ではありません。
契約時・入居時・入居中・退去時までの情報をつなげて確認できる状態を作ることが重要です。
退去立ち会いでは、傷や汚れの原因、原状回復費用の負担範囲、立ち会い時の説明内容などをめぐって、入居者と認識が食い違うことがあります。
ここでは、管理会社が特に注意したい代表的なトラブルを6つに整理して紹介します。
・入居前からあった傷か、入居中についた傷か判断できない
・通常損耗・経年劣化と入居者の故意・過失で認識が食い違う
・クリーニング費用や特約について認識が合っていない
・原状回復費用が高いと指摘される
・立ち会い時のサインの意味について認識が食い違う
・立ち会い時の説明と後日の請求内容が変わる
代表的なのが、「この傷は入居したときからあった」「入居前にはなかった」という認識の違いです。
数年間入居していた物件では、担当者の記憶だけで判断することはできません。
入居時の写真や室内チェックシートが残っていなければ、傷がいつ発生したものなのか客観的に確認することも難しくなります。
レシオ退去時の確認だけではなく、入居時点から記録を残しておくことが重要ですね。
室内に傷や汚れがあったとしても、すべてが入居者負担になるわけではありません。
国土交通省のガイドラインでは、通常の使用によって生じる損耗や年月の経過による経年変化については、原則として賃借人が原状回復費用を負担するものではないという考え方が示されています。
一方で、故意・過失や善管注意義務違反、通常の使用を超える使用によって生じた損傷などは、入居者側の負担となる可能性があります。
そのため、「汚れているから入居者負担」「壊れているから入居者負担」と状態だけを見て判断しないことが重要です。
ハウスクリーニングやエアコンクリーニングなど、退去時に発生する費用について認識が食い違うケースもあります。
このような項目では、賃貸借契約書や特約の確認が欠かせません。
退去立ち会い担当者が契約内容を把握していない状態で説明すると、「契約書には書いていない」「契約時には違う説明を受けた」といった問題につながる可能性があります。
立ち会い前に契約書と特約を確認し、物件ごとのルールを把握しておきましょう。
立ち会い時には納得していたものの、後日見積書を見た入居者から、「思っていたより高い」「なぜこの範囲まで負担するのか」と問い合わせが入るケースもあります。
金額だけを提示すると、入居者から見れば請求根拠が分かりません。
そのため見積時には、下記のような項目を写真や現地記録と合わせて説明できるようにしておくことが重要です。
・どこに損傷があるのか
・どのような修繕が必要なのか
・修繕範囲はどこまでか
・費用負担をどのように整理したのか
退去立ち会いで特に注意したいのがサインです。
国土交通省のガイドラインQ&Aでも、単に「損傷があることを確認した」というサインと、「その原状回復費用を負担することを了承した」という意味は同一ではないとされています。
そのため、「サインをもらったからすべて請求できる」と考えるのは避けた方がよいでしょう。
何について確認してもらうサインなのかを明確にし、書面の内容と口頭説明を一致させる必要があります。
立ち会い当日に、「ここは請求しません」と説明したにもかかわらず、後日の精算書では費用が追加されていれば、入居者から疑問を持たれやすくなります。
一方で、家具や荷物がなくなった後に初めて確認できる損傷や、施工方法を検討した結果、追加工事が必要になることもあります。
重要なのは、後から内容が変わったこと自体ではなく、なぜ変更されたのかを説明できる状態にしておくことです。
退去立ち会いでトラブルを防ぐうえで、特に重要なのが、「修繕が必要か」という判断と、「誰が費用を負担するか」という判断を分けることです。
例えば、クロスが汚れており、次の入居募集に向けて張替えが必要だったとします。
しかし、「クロスを張り替える必要がある」ことと、「張替え費用を入居者が全額負担する」ことは同じではありません。
退去立ち会いでは、まず室内の状態を正確に確認したのちに下記項目などを踏まえて、費用負担を整理ます。
・賃貸借契約
・特約
・入居時の状態
・損傷の原因
・経過年数
・国土交通省のガイドライン
この2つの判断を混同しないだけでも、現地での説明は整理しやすくなります。
退去立ち会いトラブルは、当日の対応だけで防ぐものではありません。
むしろ、立ち会い前の準備によって結果が大きく変わります。
・賃貸借契約書と特約を確認する
・入居時の室内写真・チェックシートを確認する
・入居中に報告された設備不具合を確認する
・入居者へ当日の流れを事前案内する
まず下記項目など、退去時の費用負担に関する項目を確認します。
・クリーニング費用
・エアコンクリーニング
・畳や襖
・喫煙
・ペット飼育
・設備や造作物
・原状回復に関する特約
物件や契約によって条件が異なるため、担当者の記憶だけで対応しないことが重要です。
退去時の写真だけでは、傷がいつ発生したのか判断できません。
入居時に下記項目などを撮影していれば、退去時との比較がしやすくなります。
・壁
・床
・建具
・水回り
・設備
・既存のキズや汚れ
国土交通省も、入退去時のチェックリストや写真による記録をトラブル予防に有効な方法として挙げています。



退去立ち会い担当者が事前に入居時記録を確認できる運用を整えることが大切ですね。
入居期間中に管理会社へ報告された不具合についても確認しておきます。
例えば水漏れや設備故障が過去に報告されていれば、その影響で発生した損傷について、退去時だけを見て判断することは適切ではありません。
修繕履歴や問い合わせ履歴も、退去時判断の重要な資料になります。
退去者側が当日の流れを理解していないこともトラブルの原因になります。
事前に下記項目などを案内しておく、立ち会いを進めやすくなります。
・立ち会い日時
・荷物を搬出しておくこと
・鍵の返却
・残置物の確認
・室内確認を行うこと
・当日すべての費用が確定するとは限らないこと
事前準備をしていても、現地での記録や説明方法が不十分であればトラブルにつながります。
退去立ち会い当日は、室内状況を正確に確認し、入居者との認識違いを残さないことが重要です。
・状態確認と費用負担の判断を分ける
・傷や汚れは写真で記録する
・写真は「場所が分かる写真」と「状態が分かる写真」を残す
・その場で判断できない内容は即答しない
・サインが何を確認するものなのか明確にする
最初から、「これは入居者負担です」と費用負担の話から入るのではなく、まず状態を確認します。
例えば、「こちらに約○cmの傷があります」「この箇所に変色があります」というように、客観的な状態確認を先に行います。
その後、契約内容や入居時記録などを踏まえて負担区分を整理することで、話を分けて進められます。
退去時の写真は、見積作成だけでなく、後から状況を説明するための重要な資料になります。
「担当者は確認していた」だけでは、数週間後や数か月後に説明することが難しくなります。
傷・汚れ・設備不具合など、原状回復に関係する箇所は記録を残しましょう。
傷のアップ写真だけでは、室内のどこを撮影したのか分からなくなることがあります。
そのため、
という順番で撮影すると、後から確認しやすくなります。



可能であれば、管理会社内で撮影方法を統一しておきましょう
判断が難しい内容を現場で無理に確定すると、後から説明を変更することになります。
例えば、下記のような場合です。
・特約の解釈を確認する必要がある
・補修で対応できるか判断できない
・下地まで損傷しているか確認できない
・設備故障の原因が分からない
その場合は、「現時点では状態の確認までとし、契約内容や施工方法を確認したうえで改めてご案内します」と伝える方が、後の認識違いを防ぎやすくなります。
サインを求める場合は、「室内状態を確認したことへのサイン」なのか、「費用負担について合意するサイン」なのかを明確にしておきます。
担当者によって説明が変わらないよう、書面の文言と説明方法を統一しておくことも重要です。
管理戸数や退去件数が増えるほど、担当者個人の経験だけに頼った運用は難しくなります。
そこで、下記項目をチェックリストやマニュアルとして統一することが重要です。
・事前確認する資料
・室内チェック項目
・写真撮影方法
・負担区分の確認方法
・現場で判断できる範囲
・管理会社へ持ち帰る基準
・サインの説明方法
・報告フォーマット
退去立ち会いの品質を「担当者の経験値」ではなく「会社の仕組み」で安定させることが、トラブル予防につながります。


予防策を取っていても、入居者から異議が出ることはあります。その場合、すぐにどちらが正しいかを決めるのではなく、まず事実関係を整理します。
確認する順番は以下の通りです。
① 賃貸借契約書・特約を確認する
② 入居時の写真・チェックシートを確認する
③ 退去時の写真を確認する
④ 入居中の修繕・問い合わせ履歴を確認する
⑤ 国土交通省ガイドラインの考え方を確認する
⑥ 修繕内容と費用負担を分けて整理する
⑦ 根拠を示しながら説明する
重要なのは、感覚的に反論するのではなく、契約と記録を基に説明することです。
退去立ち会い業務では、「日程調整」→「現地立ち会い」→「写真整理」→「原状回復内容の確認」→「見積作成」→「管理会社・オーナー確認」→「工事発注」→「完了確認」と多くの業務が発生します。
特に退去件数が多い管理会社では、立ち会いだけを外注しても、その後の見積確認や工事会社への説明が管理会社側に残ることがあります。
RATIO美装では、退去者様との日程調整から退去立ち会い、室内状況の確認、写真による報告、見積作成、原状回復工事まで一括して対応しています。
「立ち会い業務だけでなく、その後の原状回復工事まで窓口を一本化したい」
「退去対応にかかる管理会社側の業務を減らしたい」
という場合には、退去立ち会い業務全体を外部へ委託することも選択肢のひとつです。


必ずしもそうとは限りません。
国土交通省のガイドラインQ&Aでは、「損傷があることを確認したサイン」と「その費用を負担することに合意したサイン」は区別して考える必要があることが示されています。
何に対する確認なのかを書面上でも明確にしておくことが重要です。
国土交通省のガイドラインは、原状回復費用の負担について一般的な考え方を示した重要な判断材料です。ただし、実際の精算では賃貸借契約書や特約、室内状況なども確認する必要があります。
ガイドラインだけを見るのではなく、契約内容と現地状況を合わせて判断しましょう。
状況によって異なります。
重要なのは、損傷の発生原因や契約内容を確認し、なぜ立ち会い時には確認できなかったのかも含めて説明できるようにすることです。
後から項目を追加する場合は、写真などの客観的な資料を残しておくことが特に重要です。


退去立ち会いで起こるトラブルの多くは、傷や汚れそのものではなく、「いつ発生したのか」「誰が負担するのか」「どこまで修繕するのか」といった認識の違いから発生します。
そのため管理会社では、下記項目を確認することが重要です。
・契約書と特約を事前確認する
・入居時と退去時の写真を残す
・状態確認と費用負担判断を分ける
・判断できないことを現場で無理に確定しない
・サインの意味を明確にする
・写真と見積内容を一致させる
・退去立ち会いの運用を標準化する
退去立ち会いは、単に室内の傷を確認する作業ではありません。その後の退去精算や原状回復工事をスムーズに進めるための重要な工程です。
RATIO美装では、退去者様との日程調整から退去立ち会い、写真・報告、見積作成、原状回復工事まで一括で対応しています。
退去立ち会い業務の負担を減らしたい、担当者ごとの判断や対応を標準化したい、退去から原状回復までの窓口を一本化したいとお考えの管理会社様は、RATIO美装へお気軽にご相談ください。